飯豊山

2024.06.20 - 2024.06.21

残雪と新緑の飯豊山へ。
飯豊山のイメージとはかけ離れた意外にも険しい道のりを川入から辿る。
初日は雨にやられることも多少覚悟していたが、低気圧の降雨域は福島県南部をかすめるように東進。
その後は雲が取れて晴れ渡り、飯豊本山頂上では最高の夕暮れ時を楽しむことができた。

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昼ごろに川入から入山し、最初はブナの樹林帯を通って標高を上げていく。
急登だが、このあたりで特に危ない箇所はない。
低気圧の接近による曇天と時間帯もあって、汗が噴き出る。

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下十五里、中十五里、上十五里とおおよそ等間隔でチェックポイントがある。
それぞれちょっとした広場になっている。

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上部に出ると、三国岳に向けて岩稜の尾根が姿を現す。
ここからはロープやハシゴもあるようなややスリルのある道が続いていく。
下調べが甘かったこともあり、あまり飯豊山にそういった場所がある印象がないため意外だった。

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三国岳避難小屋。
川入登山口からのルートだと山頂までに 3 つの小屋を通ることになるが、ここがその 1 つ目。
いずれの小屋も営業が行われるのは 7 月に入ってからになるため、この時期は避難小屋として無人解放されている。

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三国小屋から先もしばらく足元に気を使うアップダウンが続き、種蒔山を過ぎたあたりで道が穏やかになる。
すると、飯豊本山を視界に捉えることができた。その手前に立ちはだかる山は草履塚。

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その年の積雪量にもよるが、草履塚の南面は比較的大きな雪渓が残りやすいようだ。
今回の行程では、種蒔山を巻くところと、この草履塚の手前がまともに雪渓を歩いた区間になった。
雪渓歩き用の装備を持っていなかったので不安だったが、左手の笹藪伝いに歩くことで安全を確保した。
登りはまだいいが、明日の帰りはここを下りで通らなければならず、この後それがずっと不安だった。

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草履塚に立つと、いよいよ飯豊本山を目の前に捉える。しかしここからまだ大きな登り返しがありそうだ。

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最後の登りが体に堪えたが、本山小屋の手前の広場にたどり着いた。
小屋から少し離れるが、ここが広いテント場になっている。
見ての通り、今日は独り占め。本山小屋には数名の宿泊者がいるようだった。

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テントを設営して、向こう側に聳える飯豊連峰最高峰・大日岳を眺めながら賞味期限切れのカップラーメンをすする。
稜線上なので風が強く吹く。テントを張る際に長辺を風上に向けてしまったため、かなり風を受ける配置になってしまったが面倒だったのでそのまま寝た。

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夕食を済ませて、日没まで時間を余らせることができたので、空身で片道 20 分程度の飯豊山の頂上を目指す。
予想通り、これまで分厚く空を覆っていた雲が晴れてきた。最高の時間が始まる!

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山頂に到着。ここでしばらく一人静かに夕暮れショーを楽しむことにした。
本山小屋に宿泊している方々は小屋のすぐ外で同じように夕日を眺めていた。

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御西岳や大日岳方面へと続く尾根。
これぞ飯豊山といったような広大でなだらかな形をした尾根道。
こういうところをもっと歩きたいので、次に飯豊山に訪れるときは必ず縦走する。

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烏帽子岳・北股岳方面に夕陽が沈んでゆく。

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日が落ちるのを見届けてから、テントを張った場所に歩いて戻っていると、反対側からは満月が昇っていた。
明るい夜になった。

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翌朝、穏やかな空模様で一日が始まる。
4 時過ぎにはテントを撤収して下山を始めた。

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朝日に照らされる草履塚。あの向こう側にある雪渓が気掛かりだった。

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草履塚の登り返し中の斜面から、飯豊本山を振り返る。

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問題の雪渓。ところが朝でよく締まっていることもあってか、心配していたほど滑る感じではなかった。
笹沿いに下るも、笹を掴んで体を預けるような場面はほとんどなく通過した。

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残雪の大日岳を右手に眺めながら下山していく。

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飯豊の花シーズンはこれからといったところだが、目立ってヒメサユリは開花していた。
遠目に見ると目印のテープかと思うくらいに鮮やかなピンク色をしている。

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三国岳からの岩稜下りは慎重に進む。

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地蔵山下分岐まで戻ってくれば、あとは樹林帯の尾根を延々と下るだけなので一安心。

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鮮やかな緑が美しい木漏れ日の森を歩いて、川入登山口に戻る。

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午前 9:30 頃、予定より早く下山することができた。
ここから寄り道をしながらとはいえ、静岡に帰り着いたのは夜の 22:00 近くだった。
ずっと憧れだった飯豊山に登ることができて満足した一方、その先に延びる広大なあの稜線を次は必ず歩こうと決意した。

ー以上ー